“近年のニューロサイエンスに基づいた脳卒中リハビリテーションについて基礎と応用の両方から解説する。
特に今回は上肢の運動障害(運動麻痺)と歩行に関してニューロサイエンスの視点から解説する。”
運動麻痺に対する、“運動学習”。リハの効果が思うようにあがらない、どう考えていいのかわからない。
日頃のこんな悩みに森岡先生が答えます。上肢を例に運動学習を学びませんか。
もちろん、それは上肢だけにとどまらず、全身に応用できるはず!
さらにその考えは中枢分野だけではなく、整形分野へも必ず応用できます!今回はそれだけにとどまらず、歩行のお話も!
通常、運動学習と歩行を1日でお話されることはありません。
SENSTYLEだけの、北海道は札幌だけの特別企画です!
- 株)SENSTYLE 代表取締役 国中優治から一言
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なぜ、いまニューロリハビリテーションが必要なのか。
昨今、「脳の科学」の進歩がすすみ、リハビリテーション分野における導入が始まっています。ニューロサイエンスとは神経科学を基盤としたもので、我々が机上で学習した疾患や障害ベースから考えられる「結果」に対する応用ではなく、今まで目に見えなかった脳内機構に注目し、“人”の部分にまでその理解が及ぶことで、リハビリテーションへの応用可能性が大きく変化していくことと思います。ということはニューロサイエンスの探求は自分自身いわゆる“私”を理解することにも繋がり、講演の途中からは自分への気づきも生まれてくることと思います。
※森岡先生の著書最新刊「リハビリテーションのための神経生物学入門」においても「私」という生きものとして表現されています。 それが“成功する脳”への鍵となり「障害に前向きな脳」、「セラピストとしての結果に繋がる脳」をシンクロできるのも夢ではありません。
森岡先生に出会い、講演を聞くことを重ねたことで、私自身固定概念にとらわれない強さを知るきっかけとなりました。
講師: 森岡 周先生
畿央大学大学院健康科学研究科 教授
1) 上肢運動の神経制御と治療戦略(AM)
上肢運動は皮質間あるいは皮質−皮質下−脊髄のネットワークによって制御されている。特に上肢運動は道具操作に特化した形で目的的な動作、すなわち意図的な行為であるということに特徴を持つ。したがって、その神経ネットワークの理解なくして、上肢運動機能回復の治療戦略の組み立てにはなかなかつながらない。
今回は滑らかな上肢運動をもたらす神経ネットワークについて解説するとともに、運動障害に関しては運動麻痺に絞って、SharmaとCohen(Dev Psychobiol 2012)が脳卒中後の上肢運動機能回復に影響を与える要因として示した3つの戦略「運動先行/予測型の活動(運動イメージや運動観察)」「運動発現における皮質脊髄路の発火(運動実行)」「体性感覚フィードバック」を基盤にして、上肢運動機能回復のための脳卒中リハビリテーションをどのように臨床デザインして行くかについて、神経科学の視点から述べる。
2) 歩行の神経制御と治療戦略(PM)
歩行制御には脊髄から大脳皮質までの多くの神経系が関与する。それぞれが役割を持ちつつ、それらのネットワーク協調によって歩行が制御される。一方、歩行制御の異常はリハビリテーションの主要な治療対象の一つである。ヒトは社会生活において、様々な文脈や環境に応じて歩行を時に無意識的に、時に意識的に制御している。このような柔軟な歩行制御には神経系の働きが不可欠である。環境に依存した柔軟な歩行の回復のためには、運動学、運動力学だけでなく神経科学に基づき治療をデザインしていくことが重要となる。
本講演では、「歩行の神経基盤」「歩行の機能回復システム」「神経科学に基づいた歩行制御以上に対する治療戦略」
3) 最近の著書および原著論文
1. リハビリテーションのための神経生物学入門(協同医書出版社), 2013
2. Morioka S, et al. Changes in the equilibrium of standing on one leg at various life stages. Curr Gerontol Geriatr Res.2012:516283. 2012
3. Morioka S, et al. Effects of plantar perception training on standing posture balance in the old old and the very old living in nursing facilities: a randomized controlled trial. Clin Rehabil 25: 1011-20, 2011
【著書シリーズ】
森岡 周の「脳」 \2,940 |
森岡 周の「脳」 \3,675 |
森岡 周の「脳」 \3,990 |
\3990 |
\2100 |
\2100 |
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