■研修会報告


肩関節の機能解剖と疾患・実際の治療について
   〜肩関節周囲筋の触察と治療方法〜



高濱 照 先生

九州中央リハビリテーション学院 学科長























■【研修会後記】

肩関節の機能解剖と疾患・実際の治療について~肩関節周囲筋の触察と実際~
九州中央リハビリテーション学院 高濱 照先生

関節唇の構造

関節唇の上部と下部では構造に違いがあり、それによる動作の安定性に大きく関わってくる。上部では関節包に対して付着がなく、非常に構造的にゆとりのあるものとなっている。それに対して下部では関節包に付着しており、外転運動に伴って伸張出来るだけの柔軟性が求められる。それに加えて、内転時には上腕骨が関節唇に衝突して止まるという性質を持っており、内転時の肩関節は非常に安定性が高いという特徴を有している。
 例えば、体操の鞍馬を思い浮かべると内転位にあるときは体側に上肢が当たっていることもあり、非常にダイナミックな動きができる。内転位以外では動きが小さくなることがわかる。

肩峰下インピンジメント

 インピンジメントとは肩峰の前1/3と肩鎖関節の下面で生じ、肩峰の後方部分では生じないと言われている。構造的な変化や症状、年齢などで3つの進行分類に分けられ、その進行分類に応じて術式や施術の内容が変わってくる。
 様々な肢位でどの部分がインピンジメントしてくるかを解剖学的に検証していくことで、どういった動作であればどこに損傷が生じるであろうという予測が立てれるようになる。

野球選手における外旋拡大と内旋制限

 外旋シフトの現象は、肩甲骨の後傾による外旋拡大と、小円筋のスパズムによる内旋制限という因子の異なる現象が同時に起きたものと考えられる。それだけでなく、脊椎の代償動作を伴っているケースが多々みられることがあるため、肩だけでなく他部位からの影響も考えていく必要がある。

講義を終えて

 解剖学的な基礎を中心に見たことのないような解剖、骨標本、超音波などの画像を多く盛り込んだ内容で、今まで学んできた知識を検証できる良い機会となりました。体表から触っているものが、身体の中ではどう動いているかは、想像の範疇でしかなかったものであり、はっきりと自分の目でみる機会はなかなかないと思います。この講義をきっかけに再度評価や治療における触り方を考えていきたいと思います。特にこれまで不可能とされてきた、肩甲下筋上部線維の触察の可能性についてというトピックスは、どれだけ考えても答えの出なかった部位の治療方法を行えることができるのではないかと、非常に大きな収穫となりました。












肩関節の機能解剖と疾患・実際の治療についてin福岡

AM10:00~13:00
肩関節の機能解剖と疾患・実際の治療について
PM 14:00~16:00
肩関節疾患の評価と研究的知見からみた治療選択

講師
九州中央リハビリテーション学院 学科長 
高濱 照 先生
南川整形外科 理学療法士 
鶴田 崇 先生

開催概要

26年112日(日)


通常価格 12500円
特別割引 9800
※申込は終了しました。


講義時間:10:00~16:00 
      (受付開始9:30から)

会場:福岡南市民センター(福岡県福岡市南区塩原2丁目8−2)

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