講師:森岡周先生

畿央大学大学院健康科学研究科 研究科主任・教授
畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター センター長


神経科学から考える脳卒中後の運動障害に対するリハビリテーション
−科学的知見の解釈から生まれる臨床の方向性−

[概要]
ニューロサイエンスと連携したリハビリテーション介入をニューロリハビリテーションと呼ぶが、それは損傷後の神経機能回復の促進を目的にした介入の意味合いだけでなく、運動・行為の学習を目的とした治療的介入の意味合いを含む。脳は「動く(感じる)身体」を介して環境(道具、他者)と相互作用することで実存化する。すなわち、意図をもった動きが機能的な脳をつくるといっても過言ではない。

本講演では、脳損傷後の神経可塑性のメカニズム、神経機能回復と感覚情報処理機構の関係、そして、脳卒中後の運動障害克服のための3つの手続き(体性感覚フィードバック、運動先行型活動、運動実行)について上肢運動を中心に説明するとともに、それに3つの運動学習システム(強化学習、教師あり学習、教師なし学習)を含ませ、科学と理論を中心に解説し、後の講演者の実践と科学の解説にバトンを渡したい。

[代表著書]
リハビリテーションのための神経生物学入門(単著/協同医書出版社/2013)
リハビリテーションのための認知神経科学入門(単著/協同医書出版社/2006)
リハビリテーションのための脳・神経科学入門(単著/協同医書出版社/2005)

[代表論文]
Morioka S, et al. Effects of perceptual learning exercises on standing balance using a hardness discrimination task in hemiplegic patients following stroke: a randomized controlled pilot trial. Clin Rehabil. 2003; 17(6):600-7.
Morioka S, et al. Influence of perceptual learning on standing posture
balance: repeated training for hardness discrimination of foot sole. Gait
Posture. 2004; 20(1):36-40.
Morioka S, et al. Changes in the equilibrium of standing on one leg at various life stages. Curr Gerontol Geriatr Res. 2012;2012:516283.



【著書シリーズ】

森岡 周の「脳」
レクチャー・シリーズ


『脳を学ぶ1 ~「ひと」がわかる生物学~』
森岡 周 著

※現在改訂中

森岡 周の「脳」
レクチャー・シリーズ


『脳を学ぶ2 ~写真家、古谷千佳子さんとの対話~』
森岡 周,古谷千佳子 著

\3,675
税込・送料込
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森岡 周の「脳」
レクチャー・シリーズ


『脳を学ぶ3 ~アンサンブル・グループ「ブーケ・デ・トン」との対話~』
森岡 周,齊藤佐智江,猿渡紀子,飯島多恵 著

\3,990
税込・送料込
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『リハビリテーションのための神経生物学入門』
森岡 周 著

\3990
税込・送料込
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『リハビリテーションのための認知神経科学入門』
森岡 周 著

\2100
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『リハビリテーションのための脳・神経科学入門』
森岡 周著

\2100
税込・送料込
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講師:竹林崇先生

兵庫医科大学病院 リハビリテーション部 副主任技士
兵庫医科大学大学院 医科学専攻 高次神経制御系 リハビリテーション科学







学習を基盤とした脳卒中後上肢麻痺に対するニューロリハビリテーションの実際
〜課題指向型訓練とTransfer packageを中心に〜


【概要】
2000年以降,脳の興奮性(excitability)と構造変化(structure change)といった【可塑性(plasticity)】をメカニズムにした運動療法が著しく発展している.それらの結果は,神経科学の視点から考察され,近年【ニューロリハビリテーション(Neuro-rehabilitation)】と呼ばれている.

神経学者のBoydは,ニューロリハビリテーションにおいて,脳に可塑性変化をもたらす因子は,電気や磁気,薬剤などによる直接的な刺激ではなく,行動変化によってもたらされると述べている.これからも,ニューロリハビリテーションにおいて,最も重用しされるべき点は,対象者の行動そのものを変化する療法士の基本的な関わりや技術にあるといえる.

本講義では,対象者の行動変容を第一の目標とし,ニューロリハビリテーションの代表格であるCI療法における様々なコンセプト(訓練の目標設定,課題指向型訓練,Transfer package,対象者へのフィードバックや関わり方,課題の運営方法,等)の実際を紹介するとともに,心理学,行動学,そして脳科学の視点から解説する.

全てのリハビリテーションの基盤となる【テーラーメイド】で,かつ【学習を基盤としたきめ細やかな運動療法】の実際とそれらを構築する理論に触れていただき,皆様の臨床の質とリーズニングの向上に寄与することを目的としている.


【著書】

CI療法 脳卒中リハビリテーションの新たなアプローチ(共著/中山書店/2008)
リハビリテーション評価データブック(共著/医学書院/2010)
脳卒中機能評価 予後マニュアル(共著/医学書院/2013)


【代表論文】

Takebayashi T, et al: A 6month follow-up after constraint-induced movement therapy with and without transfer package for patients with hemiparesis after stroke: a pilot quasi-randomized controlled trial. Clinical Rehabilitation 27 (5) 418-426, 2013


開催日:
3月30日(日)


タイムスケジュール:
10:00〜16:30
(受付開始9:30)(予定)


講師スケジュール:

森岡周先生
10:00~12:30
竹林崇先生
13:30~16:00


価格:
通常価格:12,500円
特別割引:9,800円




【会場】

星陵会館ホール

東京都千代田区永田町 2-16-2

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※会場には駐車場がございませんので、公共交通機関をご利用下さい。