【講師】
石井慎一郎 先生
国際医療福祉大学大学院 福祉支援工学分野 教授
直立二足歩行は力学的に極めて不安定な移動様式だと言えます。
我々が不整地でも自由に歩くことができ、カーブを曲がったり、速度を変えたり、躓いても転倒せずに歩き続けられるのは、動的姿勢制御のメカニズムが存在しているからです。ただ、脚を前に運び、正常な動作パターン歩行フォームを作っても、患者さんは歩くことは出来ません。
ヒトの歩行フォームを忠実に再現したロボットを歩かせても、すぐに転倒してしまうのと同じように、環境に合わせて動的な安定性を作り出せなければ、実用的な歩行は不可能なのです。したがって、歩行能力改善のための理学療法の本質は、歩行のフォームを作る事ではなく、動的姿勢制御能力を獲得 する事だと言えます。本講習会では、歩行の動的姿勢制御に関する最新の知見を集積し、安定した歩行を可能にするための新しい理学療法の体系をご紹介いたします。
【講師】
樋口貴広 先生
首都大学東京 人間健康科学研究科 教授
【テーマ】
歩行の制御:知覚的調整
本講演では,“知覚的調整”という観点から見た歩行制御の特性について解説します。歩行制御の目標は決して,理想的な動作の型(または形)のようなものを覚えこみ,それを忠実に実践することではありません。身体状況や環境は常に変化しうるため,歩行を持続し続けるためには,状況を常にモニターし,時々刻々と筋出力を調整する必要があるからです。本講演では,歩行の制御が 2つの調整システム(変化に対応するためのシステム,先を見越した予見的調整のシステム)よって制御されているという考え方について紹介します。リハビリテーション対象者が,知覚的調整という観点から見てどのような問題を抱えているかについて,研究事例に基づき解説します。
セミナー参加費 | |
通常 | ¥10,800+税 |
団体割(2名様) | ¥10,800+税 1名様あたり ➡¥8,800+税 |
団体割(3名様~) | ¥10,800+税 1名様あたり ➡¥7,800+税 |