頸部筋に対して
『頚部筋群』
屈曲：前頭直筋・外側頭直筋・頭長筋・頸長筋・（斜角筋群）
伸展：頭板状筋・頸板状筋・大後頭直筋・小後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋
肩甲挙筋・頸棘筋・頭最長筋・頸最長筋・後斜角筋
側屈：前・中斜角筋
回旋：胸鎖乳突筋（対側回旋）
『屈曲（Flexion）』
施術方法
＜屈曲誘導＞
肢位： 仰臥位
ポジショニング：頭方
グローブ： 両手
パッド位置： なし
電流： レベル5
深達度： 3（約1cm）
手順：頭部をエアスタにのせ、両手（グローブ）を下顎から頸部前方へ置く。
（顎二腹筋（前腹・後腹）・胸鎖乳突筋）
ゆっくりと電流を上げながら、患者に顎を引くように指示（自動介助運動）
＊屈曲誘導の前に、後頭下筋群をリリースしておくとより効果的である。
0°→45°（屈曲） 左手：左下顎 右手：右下顎 動き：頭部の屈曲
活動筋：顎二腹筋（前腹・後腹）・胸鎖乳突筋
適応：変形性頚椎症・頚部捻挫
禁忌：特になし
『伸展（Extension）』
施術方法
＜伸展誘導＞
肢位： 端座位
ポジショニング：左側方
グローブ： 右手
パッド位置： 腰部
電流： レベル5
深達度： 3（約1cm）
手順：左手で前頭部を把持し、右手（グローブ）は後頭直下を母指・示指で摘むように把持。
（大後頭直筋・小後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋）
ゆっくりと電流を上げながら、頭部のみの伸展を誘導（自動介助運動）
その後、頭部伸展の後に右手の小指球で頚部中1/2に置き、頭頚部の伸展を誘導
（僧帽筋上行繊維）
0° →15°（伸展） 左手：前頭部 右手：母指・示指で後頭直下 動き：頭部の伸展
15°→85°（伸展） 左手：前頭部 右手：小指球で頚部中1/2 動き：頭頚部の伸展
活動筋：大後頭直筋・小後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋・僧帽筋上行繊維
適応：変形性頚椎症・頚部捻挫
禁忌：特になし
『側屈（Lateral Flexion）』
施術方法
＜側屈誘導＞
肢位： 仰臥位
ポジショニング：頭方
グローブ： 右手
パッド位置： 腰部
電流： レベル5
深達度： 3（約1cm）
手順：左手で後頚部を把持し、右手（グローブ）は頸部側方を示指・中指・環指であてる。（前・中・後斜角筋）
ゆっくりと電流を上げながら、左手で側屈方向へ誘導し、右手で筋収縮を促通する（自動介助運動）
＊患者さんにも側屈をさせながら行うとより効果的である
＊側屈には回旋要素も含まれるため、回旋誘導を行ってから側屈を誘発すると良い。
0°→40°（側屈） 左手：後頭部 右手：頸部側方を示指・中指・環指であてる 動き：頭部の側屈
活動筋：前・中・後斜角筋
適応：変形性頚椎症・頚部捻挫
禁忌：特になし
『回旋（Rotation）』
施術方法
＜回旋誘導＞
肢位： 仰臥位
ポジショニング：頭方
グローブ： 右手
パッド位置： 腰部
電流： レベル5
深達度： 1（約1cm）
手順：左手で後頭部を把持し、右手（グローブ）は回旋方向と反対の胸鎖乳突筋を示指・中指で軽く抑える。（胸鎖乳突筋）
ゆっくりと電流を上げながら、左手で頭部を回旋させる。（自動介助運動）
＊深部筋には上頭斜筋・下頭斜筋を緩めると、環椎・軸椎での可動性を増すことができる。
＊スリングを使うとより効果的に回旋誘導が可能
0° →45°（回旋） 左手：後頭部 右手：後頭直下 動き：頭部の回旋
45°→90°（回旋） 左手：後頭部 右手：胸鎖乳突筋 動き：頭頚部の回旋
活動筋：胸鎖乳突筋
適応：変形性頚椎症・頚部捻挫
禁忌：特になし
