症例別アプローチ方法(PNFの使い方)

脳卒中患者の筋緊張亢進状態の上肢筋に対するPNFアプローチ

◆筋緊張改善
<治療方針>
・主として上腕部(上腕二頭筋)が対象です。
・不感導子を使用し、グローブを片側使用する。不感導子を腰背部に貼り、素手の手で前腕を把持し、他動的に肘関節を伸展させ、グローブを着用している掌部で上腕二頭筋部全体に触れます。
・電気を流している間(2秒程度)は伸張をやめ、グローブの手を離し電気を流していない状態で肘関節を伸展させストレッチします。
・以上を繰り返し行い伸張し、上腕二頭筋の筋緊張を改善させます。

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頸部の関節可動域改善に対してPNFアプローチ

◆グローブを使って屈曲誘導(適応:変形性頚椎症・頚部捻挫)
<治療方法>
電 流:  レベル5
深達度:  3(約1cm)
手 順:頭部をエアスタにのせ、両手を下顎から頸部前方へ置きます。
    (顎二腹筋・胸鎖乳突筋)
ゆっくりと電流を上げながら、患者に顎を引くように指示(自動介助運動)します。
(屈曲誘導の前に、後頭下筋群をリリースしておくとより効果的です。)

<詳しくはこちら>⇒頸部筋に対して

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橈骨遠位端骨折術後の拘縮手に対してPNFアプローチ

◆双曲粘着パッドを用いての治療方法
<治療方針>
・右図のように粘着パッドを装着します。
・この方法の利点は非常に容易に導入できることです。電気刺激が苦手な方にも、PNFの刺激性の少ない電気特性が心地よさをもたらします。また、低周波に比べて、指先の組織量が少ない部位でも、高い電圧をかけることが出来ます。
・週に1回の治療を5週連続で行った結果、特にDIP関節での治療効果が高く、45.5°±6.4の可動域が52°±6.7と有意に改善しました。
(t検定、P≦0.01)

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肩関節の筋に対するPNFアプローチ

◆腱板機能低下症例
<治療方針>
 ・主として外旋筋である棘上筋、棘下筋、肩甲下筋が対象です。
 ・インナーマッスルの促通を(黄色)行った後に、アウターマッスルである三角筋との連携運動となる肩関節屈曲、挙上運動を三角筋前部-中部線維に通電しながら行います。

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フェイシャル(美容)アプローチ

◆グローブを使って小顔をつくる
<治療方針>
・リンパドレナージュによるフェイスラインの構築(むくみを改善)
左右のグローブを顎下のラインから頬にかけて包みこむように当てます。手のひらや手指の圧を調整しながら、リンパの流れを意識します。
・口角の引き上げ(筋収縮を促したるみを改善)
手順のポイントはプローブ導子による施術と同様。ただし片側のグローブは反対側の頬全体または後頚部に不感導子として当てます。
・目尻・眉尻の引き上げ(筋収縮を促したるみを改善する)
こめかみ不近に位置する顔面神経上枝または側頭筋への刺激にて眉尻を引き上げます。片側のグローブは反対側の頬全体または後頚部に不感導子として当てます。

<詳しくはこちら>⇒フェイシャル(美容)アプローチ

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